みんながウエルビーイングな学校を目指す教頭会

新潟県小中学校教頭会 会長 大瀬 孝志
(上越市立中郷小学校)

 令和5年度新潟県小中学校教頭会の会長を務めさせていただくことになりました。会員の皆様のご支援とご協力をいただき、関係諸団体と連携を図りながら、子どもや地域、教職員などみんながウエルビーイングな学校づくりに貢献する教頭会を目指していきたいと考えています。

 令和5年3月に中央教育審議会で「次期教育振興基本計画について(答申)」が出されました。その中で、「日本社会に根差したウエルビーイングの向上」が次期計画のコンセプトの1つとして挙げられています。

 また新しい言葉に出会い、「ウエルビーイング」って何だろう?と調べてみますと、「自分の心や体の健康だけでなく、家族や友人,自分の住む街・国など周りのことも含めて、持続的に良い状態であること」のようです。なので、happinessの「幸せ」とは少し違い、SDGsにもつながるところがあるようです。

 また、京都大学 内田由紀子教授の説明の中に、「ウエルビーイング」のとらえ方は、国や地域の文化によって違うとあります。日本的幸福から考えていくと、「他者とのバランス」「人並志向」「まわりまわって自分にも幸せがやってくる」という協調的幸福感ととらえられるようです。ちなみに、北米的幸福は、「個人の自由と選択」「自己価値の実現と自尊心」「競争の中でもまれる」「それらが翻って社会を豊かにする」という獲得的幸福感と説明されていました。

 では、「日本社会に根差したウエルビーイングの向上」とは、多様な個人のそれぞれが幸せや生きがいを感じとるとともに、地域や社会が幸せや豊かさを感じられるようにしていく必要があるのです。

 学校現場では、今まで児童生徒の幸せを願うことが中心となってきました。しかし、ウエルビーイングの視点から考えると、児童生徒はもちろん、周りの保護者や地域、そして教職員も幸せになることが必要になってきます。

 そうすると、児童生徒に対しては、「多様な教育ニーズへの対応」「多様性」「包摂性」「公正、公平」というキーワードが上がってきます。教職員に対しては、「働き方改革」「心理的な安全確保」「働きやすい職場環境」となるでしょうか。教師を目指す学生が減る中で、若い教職員が増え、私たち教頭も若い方々が増えています。職場に新しく凛とした風が吹いてきている現在、教頭として教職員の育成は大切です。加えて、心と体の健康について配慮したり、職場環境の改善をしたりすることも重要なことであり、今後の課題になっていくでしょう。

 今年度から新しくなった研究主題を受け、「自立」「協働」「創造」の資質や能力を備えた「夢や希望に向かって、他者とともに自ら未来を拓く子ども」の育成は、児童生徒だけでなく、地域や保護者のウエルビーイングにつながるものです。

 教頭会として、常に会員相互の連携を図り、協力しながら取り組んでいきましょう。それが、子どもたちの幸せにつながり、まわりまわってウエルビーイングな学校づくりにもつながるはずです。