教頭のウェルビーイングの向上を目指して
新潟県小中学校教頭会 会長 浅山 景
(上越市立黒田小学校)
昨年度に引き継ぎ、本会会長を拝命いたしました浅山 景です。非力ではありますが、会員の皆様からのご支援をいただき、本会を運営してまいります。よろしくお願いいたします。
さて、第4期教育振興基本計画では、「持続可能な社会の創り手の育成」「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」が掲げられています。各校において、その具現を目指した教育活動を日々展開されていることと存じます。
ウェルビーイングに係って、令和8年1月13日の日本経済新聞に、第3回日経統合ウェルビーイング調査の結果が掲載されていました。本調査は3万人以上の企業従業員を対象に行われており、調査結果の主な概要は以下のとおりです。
- 20代男女の4割台後半がウェルビーイングの実感が高い。一方で男性50代、女性10代、入社10年を経過する年代から低下する傾向があり、中高年の働きがい・生きがい向上が課題となっている。
- 残業が「月20〜30時間」及び「10〜20時間」の人は、ウェルビーイングの実感が最も高いが、月30時間を超える残業はマイナスとなる。
- ウェルビーイングの実感が最も高い人は、会社への愛着や貢献意欲が高いだけでなく、「自ら新しいプロジェクトに挑戦する」「主体的にリスキリングを行う」等、自発的に行動している。
この結果を基にすると、教員のウェルビーイングの向上のための教頭のすべきことは何でしょうか。
学校現場でも、採用まもない若手教員へのサポート(初任者研修など)は手厚い反面、中堅からベテラン(部活動の顧問、学年主任、分掌の責任者などを担う層)への負担が集中しがちです。激務の中でも、教育への情熱(やりがい)を失わないよう、中堅・ベテラン教職員のメンタルケアや、業務負担の適正な分散が急務と言えます。
過度な長時間労働(月40〜80時間超のいわゆる過労死ライン)を削減することは大前提ですが、ただ一律に「早く帰す」だけではなく、「授業準備や児童生徒と向き合う充実した時間(=意味のある時間)」を適切に確保できる仕組みが、教員の幸福度に繋がると考えられます。
ICTを活用した新しい授業スタイルの導入や、不登校支援などの新しい取り組みに自発的にチャレンジする傾向がある教員ほど幸福度が高いと言えます。上意下達(管理職からの命令)で研修を受けさせるのではなく、教員が「これを学びたい、試したい」と主体的に手を挙げられる余白(時間的・精神的なゆとり)と、それを応援する学校風土を作ることが、教育の質の向上に直結します。
紙面で伊藤邦雄氏が「従業員の幸せが顧客の感動に繋がり、生産性を高める」と述べているように、教育現場においては「教員のウェルビーイングが、子どもたちの笑顔や豊かな学びに直結する」と言えます。教員を「個として尊重し、寄り添う」管理職の意識改革が、今まさに求められています。
しかし、教頭は学校で多忙を極める職位の一つです。教頭自身が疲弊しては、職員室のウェルビーイングは実現しません。本会では、教頭のウェルビーイングの向上を目指して、全会員の知恵とスキルを共有できる研究・研修を行っていきます。会員の皆様の主体的な参加を期待しております。本年5月、当会の理事会にて選出、代議員にて承認され、新潟県小中学校教頭会の令和7年度の会長となりました浅山 景です。浅学菲才の身ではありますが、一生懸命に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
今年度の当会は「夢や希望に向かい、他者とともに自ら未来を拓く子どもをはぐくむ学校づくり」を基本方針として掲げています。会員一人一人が主体的に活動に取り組み、郡市教頭会と連携し、教頭としての資質・指導力の向上を図ります。そして、本県小中学校教育の発展に寄与することを目指していきます。当会の活動へのご理解と主体的な取組を重ねてお願いいたします。